Kの趣味の部屋

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好きな本について(豊穣の海 三島由紀夫)

今日は好きな本について話します。

好きな作家を聞かれると

三島由紀夫サマセットモームと答えます

 

よく同じ時代を生きた三島由紀夫太宰治だと

どのような違いがあるかと聞かれます。

自分は死生観にそれがもっとも大きく出ているかと思います。

三島は自分の主義を訴え駐屯地で。

太宰は何度か繰り返したのちに玉川上水で。

(専門的なことや詳細については知りません。。。)

 

それでは本の紹介をします。

"豊穣の海" 三島由紀夫です。

『春の雪』『奔馬』『暁の寺』『天人五衰』の四冊に及ぶ大長編で

起承転結しており、全体としてのテーマが輪廻転生と

人には免れられない運命というものがあるのかと自問自答することです。

 

それぞれについて簡単に説明します。

・『春の雪』

公爵家と男爵家の禁断の恋物語です。

主人公の松枝清顕はかなり独特の美意識を持っており、

それが波乱を生みながら話は進みます。

 

・『奔馬

明治の「神風連」に心酔する

主人公が「昭和の神風連」として

クーデターを計画、思想の純粋を追及します。

 

・『暁の寺

春の雪から登場する本田繁邦が

輪廻転生が起こり得るのか追及します。

 

・『天人五衰

一日中海を眺め、船を監視する安永透が主人公です。

この最後の三、四頁にすぎない部分が凄いです。

 

全体を通して様々な伏線があり

読み応えがあり、構成も素晴らしく

文句なしの傑作と言えるものだと思います。

 

好きで時々読み返す作品の一つです。

サマセットモームについては次回以降に紹介します。

ご拝読、有難うございました。

 

春の雪―豊饒の海・第一巻 (新潮文庫)

春の雪―豊饒の海・第一巻 (新潮文庫)

 
奔馬―豊饒の海・第二巻 (新潮文庫)

奔馬―豊饒の海・第二巻 (新潮文庫)

 
暁の寺―豊饒の海・第三巻 (新潮文庫)

暁の寺―豊饒の海・第三巻 (新潮文庫)

 
天人五衰―豊饒の海・第四巻 (新潮文庫)

天人五衰―豊饒の海・第四巻 (新潮文庫)